31日の早朝、私はチャウダーと散歩に出かけた。
フランシスの家を出て右に行くと分岐路がある。
その辺りで、シャカシャカシャカ、シャカシャカシャカという音が聞こえた。
レンガの教会のような建物からその音は聞こえた。
その屋根は銅板で出来ていた。
冷たい空気の粒子が冷たい銅板で薄い氷板を作り,それが即座にが滑り落ち、地面に落ちて割れ、クリスタルの音とかけらを作った。
薄い氷板は滑り落ちると,即座にまた氷板を作るらしく、絶え間なくクリスタルの音は続いた。
道を挟んだところに小川が静かに流れ、その音が滑らかにクリスタルの音に調和した。
美しすぎてしばらく動けなかった。
その夜、
食事を終えた後、フランシスは胃の調子が悪いのでカウントダウンまで横になって休みたいと言った。
私は彼女のところでキルトを作る目的で来ているのに,ナカナカその時間を作れずにいたので、私は彼女のアトリエに行って作業をすることにした。
一人は淋しいのでチャウダーを連れて出かけた。
彼女は町の中心にある小さな家を彼女のアトリエにしている。
一階を応接間と事務所とペイントルームにし,二階をソーイングルームにしている。
チャウダーはしばらく二階で私と過ごしていたが,一階のソファの方が心地よいと知って,下で昼寝した。
私は二階で一人の空間に感謝して、クラシック音楽を流した。
ピアノの演奏は静かなグラフトンの町の空気にぴったりだった。
年明けを祝福する花火の音が10時から11時の間に何度も聞こえたが、音が聞こえる度に下に降りてドアを開けたが、時すでに遅く、花火を見ることは出来なかった。
16歳になっている息子とフランシスのところに来たが、彼はここから50分程のスキー場で友達が働いていて、そのコンドに泊めてもらえると言って、30日からスキーに出かけてしまった。
彼はいろんな意味で親離れをした2011年だった。
その年の締めくくりにふさわしく、彼は私と一緒に年を越さなかった。
いろんな意味で私も息子のいない自分の人生をミシンを踏みながら、その音に励まされながら考えた。
”そろそろ年が明けるわよ。家に戻ってくる?”
と11時半頃、フランシスから電話があった。
”気分はどう?”
“随分マシになったわ。”
このアトリエから彼女の家に行く途中にホテルの前を通る。
フランシスの胃の調子が悪くなかったら,私達はこのホテルのレストランでバンドの演奏を聴く予定だった。
そのバンドの音楽が聞こえた。ナカナカいいバンドだと、その演奏にしばらく聴き入った。
全ての部屋は明るくホテルは満室のようで、各部屋が新しい年を待っていた。
Frances Holliday Alford's Quilt - Tree skirt
Street Scene of Grafton, VT
この景色は私が彼女のアトリエから家に帰る道のりの景色で、
フランシスのクリスマスツリーのスカートのキルトでもあります。
左手の建物がホテル,赤い建物は郵便局です。
Street Scene of Grafton, VT
この景色は私が彼女のアトリエから家に帰る道のりの景色で、
フランシスのクリスマスツリーのスカートのキルトでもあります。
左手の建物がホテル,赤い建物は郵便局です。